「旦那ぁ 片岡の叔父貴が引っ越しましたねぇ」と政が酒を注ぎながら、旦那に話しかけた。 ヤフーブログの「雑草魂」をFC2ブログに「雑草魂2」として引っ越したのは昨日のことだった。
「ああ ヤフーではコメント管理が万全じゃないし、それを改善しようする姿勢も見えないからね。引っ越しの手間はかなりかかったようだけど、後々を考えると正解ですね。」
「旦那は引っ越さないので?」と政が話しながら、今度は自分の盃に酒を注ごうとした。旦那はそのお銚子を政から取り上げると、政の盃に酒を注いだ。
「ここのことかい? 開店休業のここにはその必要はないでしょう。ところで政。なにか話は入っていないかい。」
「この1年で あっしの枝がほとんど切れちゃったれちまったもんで、いえね。この商売は持ちつ持たれつなもので、こちらからネタを出さないことには、枝も動きようがないってところなんです。旦那の方こそ、公式情報が入っているんじゃないですか」
身を乗り出して政が旦那に迫った
「三者協議の内容なら、支援する会さんの公式発表以外は知らないよ」
「旦那ぁ 何を言ってんですか。いまさらそれは通用しませんぜ」
政は大袈裟に身を反らして笑った。
「あははは 確かに通らないですね。まぁ、時期が来ればあらかたのことは出せると考えてはいますよ」
「それは いつごろなんで」と再び政が身を乗り出した。
「6月中旬から下旬といったあたりでしょう。」と旦那はあっさり答えた
「へっ 結構先なんですね」
「そうかい。すぐに来るとおもいますよ。それと、こちらに慌てる理由はありません。」
この先、高知白バイ事件再審請求がマスコミによって報道される予定がない状態である以上は旦那の言う通り慌てる必要もなかった。
「では 6月の下旬にかけて何かあるから 出せるものは出すってことですね」
旦那は盃を口に運びながら頷いた
「そりゃあ、なにがあるんです」と政が重ねて尋ねた
「非公開だが嘱託鑑定人証人尋問が予定されている。」
旦那は何一つ表情を変えないまま答えた。そして政もまた同じ表情でさらに尋ねた
「それはあっしの耳にも入ってますが、それだけじゃないでしょう?」
旦那は眉をピクリと動かして、政を鋭い眼差しで見据えた
「政。あなたに心当たりでもあるのですか?」
にやりと政は笑って盃を旦那に差し出していった
「旦那ぁ 勘弁してくださいやし・・ 何か仕掛けようとしてませんか」
今度は旦那が大笑いをした。
「あははは 流石ですね。政が何処まで知っているのかわかりませんが、私の仕掛け・・仕掛けるかどうかも微妙なところですが、仕掛けたとしても、6月下旬の動きには関係ないことですよ。」
旦那は政に盃を返すと話を逸らした
「ところで、5月10日に愛媛白バイ事件国賠訴訟の判決がでるのですが、政は知ってますよね。」
政が「もちろんですよ」と頷いた
「私はどうしても仕事が抜けられないので、政に傍聴に行ってもらいたいのですが、大丈夫ですか」
旦那に言われるまでもなく高松高裁に傍聴に行く予定だった政は二つ返事をした
外伝1はこれにて 完