第二話
鉄から返ってきた盃を受ける政の顔つきがいつもと違っていた。
政「兄貴ぃ。確かに、あっしの勤めは「早耳」ですが、こと旦那のことに関しちゃ一番の早耳は兄貴じゃねぇんですかい」
鉄「・・・・・・」
政「・・・いえね。いろいろと小耳にははさんでいるんですがね、。あっしからしてみりゃ、旦那のことなんてぇのは気にしたこともねぇンですよ。そんな事はトンでもねぇことなんでさぁ。」
鉄は黙って頷いた。それを見た政が話を続ける。
政「兄貴。叔父貴の事件がここまで来てですよ。旦那が手を引くわきゃないでしょう。それにですよ。今月に入って弁護団に動きが出てるって話じゃないですか? そうなってきたら、旦那なしじゃぁ前には進めねぇじゃないんですかい?」
鉄の顔がほころんだ
鉄「政 おめぇの早耳には恐れ入るぜ。で、その弁護団の動きってのを押さえているかい?」
政「いえ、そこまでは・・・ 兄貴はご存じで?」
鉄「いや、俺も何があったのかまではわからねぇ。 一つだけ言えるのは先生が一人増えるのは間違いないようだな」
政「一人増えるとなると・・・まさか、あの先生じゃねぇでしょうね。」
鉄「ああ、俺も期待してんだがな。」
そういうと、鉄は一呼吸おいて自前の盃を飲み干し、それを政に差し出しながら言った
鉄「悪ぃが、話を土陽新聞に戻すぜ」
政「ヘイ」
続く